極地探検家のベン・サンダースは、未知の世界にこそ偉大なものが存在するといいます。だからこそ、彼は限界に挑戦し、記録を破り続けるのです。過酷な北極と南極の旅をこれまでに6,000kmも踏破しました。

2004年、サンダースはロシアからカナダまで北極海を単独スキーで横断しました。その10年後、チームメイトのタルカ・ラピニエールと共に、英探検家ロバート・スコット隊長が率いたテラノバ遠征（イギリス南極遠征）のルートをたどる旅に挑戦。サバイバル道具を積み込んだソリをひきながら南極海岸から南極点を目指し、また戻るという旅です。スコット隊長も英探検家アーネスト・シャクルトンも成し遂げられなかった探検を105日間かけて成功させました。

2017年11月、友人である元英軍将校ヘンリー・ワースリーを追悼して、世界初の南極大陸無支援単独横断に挑みました。旅の途中、何度もホワイトアウトや巨大なサスツルギ（強風で雪の表面が削られてできる凹凸）に苦しめられましたが、52日後、無事に南極点に到着。1,046kmにおよぶ冒険を完遂しました。

南極大陸では少しのミスも許されません。判断を誤ると死に至ります。厳しい天候と食糧不足から、サンダースは旅程を短縮する苦渋の決断を下しました。安全を優先する勇気ある行動に敬意を表し、史上初めて無支援単独で北極点と南極点の両方にスキーで到達した偉業を称えたいと思います。サンダースのすばらしい旅の模様は「#TransAntarcticSolo」でご覧ください。